私は期間工と派遣社員、どちらも
5社以上で就業経験があります。
期間工と派遣社員の違いとは?
初心者にとってこの2つの雇用形態は、
一見するとコカ・コーラとペプシコーラくらい似てますよね。
期間工 | 派遣社員 | |
雇用主 | メーカー | 派遣会社 |
寮 | 集合寮 | 一般物件 |
寮費 | 無料 | 基本的に有料 |
水道光熱費 | 無料 | 実費 |
時給 | 低い | 高い |
入社祝金 | あり | 案件による |
満期慰労金 | あり | なし |
社会保険料 | 安い | 高い |
控除額 | 少ない | 多い |
雇用 | 安定 | 不安定 |
期間工と派遣社員の最大の違いは雇用主で、
・期間工はメーカー直接雇用
・派遣社員は派遣会社が雇用主の間接雇用
この雇用主の違いに付随して、
↑表↑のような違いが生まれるわけです。
- 仕事内容
- 寮と寮費
- 失業保険の待機期間
- 給与…etc
両者にはどのような違いがあるのか?
疑問を持っている方も多いでしょう。
一昔前は待遇的に期間工一択でしたが…
今では派遣社員の待遇も上がっており、
差はなくなりつつあります。
どっちも一長一短ある
だからこそ、
しっかりと双方のメリット・デメリットを知った上で自分に合った働き方を選ぼう。
期間工と派遣で仕事内容に差はある?
私の経験に基づき、自動車メーカーにおける期間工と派遣社員を比較しました。
採用率の高さやフットワークの軽さなら、
期間工<派遣社員だけど、
仕事内容は基本的に同じです。
【例】いすゞ、日産
直接雇用の期間工だからきつい仕事を任されるとか、解雇しやすい派遣社員だから楽な仕事を任されるとか、そういったことは一切ないです。
期間工も派遣社員も無作為に空いてるポジションに配属されるので、作業内容を気にする必要はない。
契約期間は基本的に、
・期間工が最長で2年11ヶ月
・派遣社員は最長で3年
また、不況や減産に伴う解雇の対象となりやすいのは、期間工よりも派遣社員の方です。
震災や豪雨、コロナ禍などで休業になった際の休業補償については、直接雇用である期間工の方が手当が多い傾向にありますね。このあたりは、メーカーにより対応がまちまち。
▼参考記事
【読まなきゃ損】プロが教える工場派遣の仕事のすべて
期間工と派遣社員の寮の違い
メーカーによって例外も多いけど、
ざっくりと寮の違いを書きます。
期間工の寮について
画像は日産車体湘南工場 の集合寮です。
期間工はメーカーが用意する集合寮に住む。
【例】トヨタ、スバル、マツダ
集合寮では風呂、トイレ、洗面所、洗濯機などの水周りは共同利用になります。これが許容できないなら、派遣社員としてワンルーム寮に入る方が無難です。
集合寮は自炊禁止の所が多く、
その代わり寮には食堂がある。
9割のメーカーは寮費と水道光熱費が無料。
詳細は募集要項で確認しましょう。
寮費について細かい話をすると、
完全無料より「実質無料」がしっくりくる。
例えば豊田自動織機の期間工 だと、
いったん寮費補助として4,500円を支給してから全額控除される。
この処理方法だと、年間で4,500円×12ヶ月=54,000円の所得増となり、そのぶん税金や社会保険料が増えるので、完全無料とは言い難いですね。マツダも同じです。
寮費の処理方法はメーカーによりまちまち。
派遣社員の寮について
派遣社員の寮は、アパートやレオパレスが主流であり、敷金と礼金は不要で、火災保険への加入も必要ありません。こういう初期費用は会社持ちです。また、派遣会社によっては退去時にクリーニング代を取られる場合も。
ここ最近の傾向として、自動車関係の求人なら寮費無料が当たり前になりつつあります。
ただし期間工とは異なり、派遣社員は家賃が全額課税対象となる。
例えば、派遣会社から家賃6万円の物件を寮費無料(家賃補助)で提供されると、それが1年間で72万円の所得と見做され、所得が増えた分だけ税金・保険料の負担も増えます…これは盲点ですね。
レオパレス寮なら家具・家電つき。
一般物件のアパートなら「TV・冷蔵庫・洗濯機・寝具」などの備品が有料で、必要に応じて派遣会社からレンタルする。
基本的に寮費と水道光熱費は実費で、備品代と一緒に給与から天引き。
派遣会社によっては、ライフラインは自ら業者と契約しなければならないパターンもあります。面倒ですが。
寮=集団生活みたいなイメージがあるけど、
実際はごく普通の一人暮らしです。
期間工と派遣社員の失業保険について
通常は自己都合で退職すると、失業保険を受給するのに3ヶ月の待機期間が生じます。
しかし、期間工は期間満了で退職すれば待機期間なしで失業保険を受給できる。
これは期間工が有期雇用だからであり、
期間満了であれば自己都合にはならない。
※ただし、過去2年間に12ヶ月以上雇用保険に加入していることが条件
一方、派遣社員は契約期間満了で退職しても派遣会社から次の仕事をすぐに紹介してもらえる。だから新たな仕事を紹介してもらえる立場にありながら、それを断って無職になるとハローワークから「自己都合による退職」と判断されます。
自己都合による退職の場合、失業保険を受給するまでに3ヶ月の待機期間が設けられる。つまり、実際に失業保険を受け取れるようになるには、申請から4ヶ月後ということになりますね。
期間工と派遣社員の給与の違い
一般に、派遣社員は期間工より時給が高い。
最近では時給1800円~2100円の求人もある。
ただし、派遣は満了金がなかったり寮費が有料だったりするので、単純に比較できない。
最終的には自分の好みの問題ですね。
派遣社員は入社祝金をもらい終えると、定期的な手当がなくなる。
一方で期間工は入社祝金だけでなく、満期慰労金や各種手当がフル満了するまで支給されます。
期間工は手厚い待遇が魅力
もし期間工と派遣社員が同じ年収なら
手取り額は期間工の方が多いです。
派遣は控除される項目が多いので。
期間工と派遣社員はどちらも一長一短あり、派遣は中抜きだから期間工一択なんて視野狭窄にならず、ハイブリッドで両方とも上手く活用するのがおすすめ。
ぶっちゃけ、
【期間工 or 派遣社員】
どちらを選べばいいのか?正解なんてない。
後悔しないためにも、最終的には自分で判断することをおすすめします。